2022年にバズった「僕はいきなり沖縄の大赤字リゾートホテルの再建を託されたど素人!」という台詞から始まるショート動画を見たことのある方も多いのではないでしょうか?
このアカウントを運営するのが、倒産寸前、沖縄の大赤字リゾートを再建設する、ど素人ホテルさんです。
TikTokのアカウントを開設して1週間で2万フォロワーを獲得、2024年9月現在では、フォロワーが7.4万フォロワーとなっています。
このアカウントの他にも、異なる業種の36ものアカウントを1人でバズらせているという、ものすごい人です!
もしかしたら、
すごい人にしか、意図的にバズりを生み出すことはできないんじゃないの?
こんなに沢山のアカウントをバズらせるつもりはないし・・・
と思われるかもしれません。
でも、次々にバズりを生み出す人が、裏側でどんなことを考えて、行動しているのか?
知りたいと思いませんか?
表面的な投稿だけではわからない、SNS戦略の裏側を知ることで、あなたのアカウントもフォロワーが増え、ファンが生まれていくはずです。
そこでこの記事では、
- ど素人ホテルさんがどんな人物なのか?
- ゼロからSNSをバズらせたい人が、どうしたら彼のように次々とバズらせることができるのか?
を分析していこうと思います。
ど素人ホテルってどんな人?
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ど素人ホテルさんは、もともとは世界中を旅しながら、映像クリエイターを仕事にしていたそうです。
帰国後、飲食店や大手アパレル会社などのPV制作をする中で、沖縄の大赤字リゾートホテルの再建の依頼を受け、「ど素人ホテル再建計画」をスタートさせました。
この再建計画では、ホテル経営ど素人が、SNSを駆使して知名度を上げ、視聴者と一緒にホテルを再建していくまでのプロセスとなっています。
ホテル名、部屋のコンセプト、従業員の募集など、ホテルに関するすべてのことを視聴者と一緒に創り上げる、前代未聞のプロジェクトが話題となり、TikTokを開設してたった1週間で2万フォロワーを獲得。
その後も、爆発的にフォロワーが増え続けています。
また、このアカウント以外にも飲食店やエンタメ系など、36のアカウントを1人でバズらせています。
ここまですごい実績があると、これまでどんな経験をしてきたのか?気になる人も多いと思います。
じつは、ど素人ホテルさんは、SNSの本や情報商材を買った事がなければ、スクールやオンライサロンで学んでいたこともないそうです。
コンサルも受けたことはなく、師匠や、モデリングしている人もいないということで、この実績や企画力の高さにはびっくりですよね。
ゼロからSNSをバズらせるにはこの2択しかない!
ここまで、ど素人ホテルさんについてお届けしてきました。
でも、ど素人ホテルさんが天才的ですごい人なのはわかったけど、凡人でバズったこともないわたしが、今からどうやったらSNSをバズらせたらいいの?!と疑問に思った方もいるかもしれません。
そこでここからは、ど素人ホテルさんが「ゼロからSNSをバズらせるには、この2つしかない!」と発信している2つの方法についてお伝えします。
結論からお伝えすると、その方法とは、
- プロセス系アカウント
- ストリート企画系アカウント
この2択です。
プロセス系アカウント
「プロセス系アカウント」とは、弱者が強者になるまでの全てを見せていくアカウント設計のことです。
プロセス系では、各コンテンツがドラマのように連なっているため「次の投稿も見たい」という思考が働き、フォロー率が高まります。
また、テレビのドキュメンタリーでは、成功者の過去から今に注目した番組しかありませんが、SNSでは今から未来のプロセスを発信できます。
そのため、見たことのない新しいコンテンツを提供できるので、バズりやすいのです。
そしてプロセス系では、弱者からスタートするほうが、今後の伸び代をわかりやすく見せることができます。
プロセス系で有名なのは、23年間彼女なし、初めての彼女を作るまでの記録を発信するミタカさんです。
現在、Instagramには20.7万人のフォロワーがいます。
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23年間彼女なし、という弱者のポジションをとることで、視聴者に「応援したい」「この先の未来を知りたい」「成長をみたいという」という感情が生まれます。
そして、100日後に彼女を作れるのか?結末が気になるので、最後まで見たくなる心理をうまく活用していますよね。
ストリート企画系アカウント
「ストリート企画系アカウント」は、街の人のリアルを切り取るアカウント設計で、道端で一般の人たちに声をかけ、会話を交わし、そのやりとりを公開していく内容です。
SNS上にはすでにクオリティの高い動画が溢れているので、ドキュメンタリー感のある動画の需要が生まれたため、バズりやすいのです。
たとえば、TikTokで現在3万フォロワーを達成している「ストリートラーメン」。
ミシュラン2つ星の元副料理長である坂さんが、街で出会った人の家でラーメンを作る、というコンテンツです。
@french.ramen
見ていると、ついラーメンを食べたくなってしまいますよね。
普段は見ることのない、人の家の冷蔵庫を覗けるのも楽しみの一つです。
また、公式LINEに登録すると、坂さんが監修するお店が紹介されています。
坂さんの作るラーメンを食べたくなる状態を作っておいてから、公式LINEで坂さんが監修する店舗を案内することで、ビジネス感なくお店をアピールできるのも特徴です。
プロセス系アカウントとストリート系アカウントの融合
ど素人ホテルさんは、なんとこの2つを融合するという上級テクも公開しています。
それは、熊本にある津奈木町という小さな町をSNSを使って有名にする、という企画です。
この町には特に注目される観光地はなく、観光地をフックにSNS運用するのは難しいと判断したど素人さんは、津奈木町の弱い部分を探しました。
そこで導き出した最強のパワーワードが「消滅可能都市」。
パワーワードとは、人の心が動く、衝撃的な言葉のことです。
そこで、町を歩いている人に「このままだとこの町が消滅するって、知ってましたか?」と声をかけていく企画を作ったのです。
それを聞いた町の人たちは、みんな驚いたり、寂しいといったリアクションをします。
動画では、最初の2秒で離脱する人が9割と言われていますが、この最初の数秒のリアクションで、視聴者は興味が湧いて、続きが見たくなります。
そこから、「おばあちゃんはなんでこの街が好きか」 「なぜこの街に住み続けるか」 とった質問をして、町への愛着をコンテンツにしていきました。
その結果、視聴者からは「消滅してほしくないので協力します」 「行ってみたい」といったコメントが溢れて、町の目的であった認知を広めることに成功したのです。
ど素人ホテルさんに学ぶ、誰でもできるバズらせテク3選
もしかしたら、ここまで読んでくださった方は、
2つのアカウント設計がバズるのはわかった。
➡︎じゃあ、ど素人ホテルさんを真似してアカウントを設計したらいいのね!
と思ったかもしれません。
もしくは、
➡︎そんな斬新な企画は自分には思いつかないから、やっぱり自分には無理だ・・・
と感じたかもしれませんね。
正直、ど素人ホテルさんの企画力は天才レベルなので、そのまま真似をしてもリスクが高いと言えます。
さらに、ど素人ホテルさんはもともと映像クリエイターをやっていて、動画のクオリティがかなり高いので、いきなりゼロからSNSをバズらせたい人がマネするのは困難です。
そこで、ここからはど素人ホテルさんの発信から分析した、誰でも今すぐ取り入れられる、SNSをバズらせる3つの秘訣をお伝えします。
今すぐできるSNSをバズらせる3つの秘訣
1)リール動画は、最初の2秒に自己紹介
2024年5月に、インスタのリールのアルゴリズムが変わるという発表がありました。
変更内容としては、インスタのアルゴリズムがTikTokに寄せられる、ということです。
どういうことか?というと、これまでのインスタでは、
- リールを投稿するとまずは興味のありそうなフォロワーに露出
- その人たちの反応が良ければ、さらに多くのフォロワーに露出
- さらに反応が良ければ、外部に露出
- 結果、バズる
というアルゴリズムでした。
一方、TikTokは最初から、興味がありそうな外部ユーザーにも露出され、反応が良ければさらに露出し、雪だるま式に再生回数が増えていく、という仕組みになっていました。
しかし今回、インスタのリール動画もTikTok同様に、最初から外部の人に露出されるようになったのです。
つまり、インスタでも最初からフォロワー外の人たちに見てもらえるようになったということは、
初めてみた人にも、発信している人がどんな人物なのか?
をわかるようにしておく必要があります。
そこで、ゼロからSNSでバズりを狙うには、毎回の冒頭2秒に自己紹介を入れることです。
先ほどもお伝えした通り、リール動画は最初の2秒で離脱する人が90%以上です。
そこで、インパクトのある自己紹介を冒頭に入れることで、2秒の壁を越えることが可能になります。
ど素人ホテルさんの場合は、
僕はいきなり沖縄の大赤字リゾートホテルの再建を託されたど素人
という自己紹介を、認知がある程度広がるまでは、毎回リール動画に挿入していました。
この自己紹介には、「沖縄」「大赤字リゾート」「ど素人」「ホテルの再建」というパワーワードがすべて詰まっています。
だからこそ、初めて訪れた視聴者でも、何をしている人なのか?一瞬で把握することができます。
ちなみに、認知が広がってからは、
「インパクトのあるキャッチフレーズ」
➡︎「自己紹介」
➡︎「伏線回収」
が最強だと、ど素人ホテルさんがコメントしています。
視聴者の興味を惹きつける自己紹介は、ど素人ホテルさんでさえ、10時間以上かけて作成したそうなので、簡単に作ることはできません。
しかし、時間をかけても視聴者の心を掴む自己紹介は手に入れる価値は十分にありますので、試行錯誤して作ってみてください。
2)同じベクトル上で弱者を作る
これは、プロセス系でアカウント設計をする際には、特に重要になります。
プロセス系コンテンツを企画する上で、弱者のポジションをとるには、同じベクトル上での弱者でなければいけません。
たとえば、ど素人ホテルさんは動画クリエイター、マーケティングのスキルや実績はありますが、ホテル経営においては素人でした。
そこで、実績○年の動画クリエイターが赤字ホテルを再建、では、ベクトルがずれてしまいます。
ホテル経営のど素人が、赤字ホテルを再建する、という同じベクトル上だからこそ、弱者のポジションをとることができるのです。
ど素人ホテルさん
❌ 動画クリエイター ➡︎ 赤字ホテルを再建
⭕️ ホテル経営ど素人 ➡︎ 赤字ホテルを再建
ミタカさん
❌ FXトレーダー(たとえば) ➡︎ 100日で彼女をゲット
⭕️ 23年間彼女なし ➡︎ 100日で彼女をゲット
前述したインパクトのある自己紹介にもつながりますので、プロセス系を狙う場合は、同じベクトル上の弱者からのスタートになっているか?を確認しましょう。
3)新しい情報は1投稿に1つまで
ど素人ホテルさんは「1投稿に視聴者が知らない情報を1つ以上入れない」と発言しています。
「これは知ってるでしょ」前提はNGです。
なぜなら、2つ以上知らない情報を入れると内輪で盛り上がっている感が出てしまうため、フォロワーが伸びにくいからです。
たとえば、ど素人ホテルさんは、新しい会社を紹介する際は、会社の人の名前は出さない、などの工夫をされているそうです。
常に視聴者にとって、楽しめるコンテンツかどうか、を考えた上で発信をしているのが伝わってきますね。
まとめ より視聴者目線での発信が求められる時代
いかがでしたか?
今回は、ど素人ホテルさんを取り上げて、ゼロからSNSをバズらせる2つの方法についてお届けしました。
正直、ど素人ホテルさんのような天才をそのまま真似ても、同じようにバズるのは困難です。
しかし、マーケティングの本質である「視聴者目線」を貫き続けていることが、ど素人ホテルさんの一番の強さだと思います。
表面的なテクニックではなく、影響力を持つ発信者さんが、なぜそうしているのか?
その意図を読み取ることで、マーケティングの本質的な力が身につき、アカウントにもファンが生まれていきます。
ぜひ今回紹介した方法を参考にしてもらえたら嬉しいです!